セアカゴケグモについて
日本国内でのセアカゴケグモ
画像引用:(社)大阪府ペストコントール協会資料
1995年11月、大阪府高石市でオーストラリア産とされるセアカゴケグモが日本で初めて発見されました。 現在では大阪府全域を中心に近畿各県及び三重県や愛知県でも確認されています。 車や建築資材などに付着したまま新興住宅地などへ移動していきます。 平成18年はセアカゴケグモに咬まれ激しい痛みを受けるといった被害続出しました。 平成17年6月3日には「特定外来生物による生態系当に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」に基づく規制対象となり、防除措置に関する公示も行われました。
オーストラリア、ニュージーランド、東南アジアを中心に生息している毒グモです。
平成7年11月に大阪府高石市で発見されその後、大阪府を中心に各地で生息が確認されています。 メスは全体が黒色で、背中の赤い模様が特徴です。
オスは身体小さく赤い模様はありません。 オスは交配後メスに食べられるケースが多く、発見することは稀です。
攻撃性は弱く、素手で捕まえたりしない限り、かまれることはあまりありません。
しかし、昨今セアカゴケグモの繁殖が非常に大きくなり、公園や駐車場などの公共の場所だけではなく、住宅の庭にも住処は広がっており、大変危険な状態となってきました。
毒性はそのものは強く、猛毒で知られるフグの毒よりも強い(量的には非常に少ない)ので、咬まれた場合は各地域の医療機関の診断を受けましょう。
咬まれたときは?
咬まれたときの症状
咬まれた瞬間は針で刺したような痛みを感じる場合もありますが、気がつかないケースもあります。 咬まれて数分から1時間後(ひとによって違うようです)局部のまわりが腫れて赤くなり、痛みは次第に全身に広がります。
悪化すると、激痛が走り、多量の汗をかいたり、寒気や吐き気などが現れることもあります。
長期間にわたり痛みが続くことがあり、シビレが残ることもあります。
咬まれたときの処置
咬まれた箇所を温水や石鹸水でよく洗ってください。
多少出血があっても、包帯や止血帯はしないほうがよいでしょう。
出来るだけ早く病院に行って治療を受けることが大切です。
生息場所
網を張って住みつき、繁殖するには次の条件が必要です
- 日当たりが良く、暖かいところ。
- 昆虫や小動物などの餌が豊富にあるところ。
- 巣を張る適当な隙間があるところ。
- 水はけが良く、乾いているところ。
具体的な生息場所
- 排水溝の側面やふたの裏(グレーチング裏)。
- 花壇のまわりのブロックのくぼみや穴、プランタートと壁の隙間。
- うつ伏せの空の植木鉢の中。
- 墓石の花立て、線香立てや撒き石などの隙間。
- ベンチの裏側。
- 自動販売機の裏、クーラー室外機の裏、浄化槽ブロアカバーの内部。
- 自動車の裏側。
イーライフ社員が撮影したセアカゴケグモの画像
これは当社(大阪府八尾市)近くのコンビニエンスストア駐車場の側溝に営巣しているセアカゴケグモです。
2006年8月、側溝グレーチングの上から撮影したもので、腹部を上に向けている状態。 画像から分かるように腹部にも赤い模様があります。
中型(背中に赤と白の模様が混在してる)のセアカゴケグモです。 子グモ(小型)の状態では背中に赤い模様はありませんが、腹部には赤い模様があります。
上記画像のセアカゴケグモの巣。
画像からは分かりにくいですが、セアカゴケグモの巣は非常に汚く、側溝内のゴミなどを巻きつけます。
巣自体はきれいな網状にはなっていなく、溝下部へと巣を延ばし徘徊する昆虫などを捕獲します。 巣は粘り気が強く、グレーチングの上からでも確認することができます。
また、近くにあった清涼飲料水自動販売機下にも巣を確認しました。
2006年7月、大阪府堺市のバス停横の壁にある排水口内から見えたセアカゴケグモの卵のう。
日当たりの良い排水口の中にも営巣します。セアカゴケグモ自身は排水口の奥の方へと逃げてしまったため撮影はできませんでした。
この卵のう一つからおよそ100〜400匹ほどの子グモが生まれます。卵のうは殺虫剤に強く、焼却またはつぶしたほうが良さそうです。
なお、バス停にあったベンチ裏にはセアカゴケグモ成虫がいましたので、注意しなければいけませんね。
2006年8月、大阪府富田林市の住宅前側溝グレーチング裏のセアカゴケグモです。
背中に白い模様が混在してるのは中型グモの証。
大型になればこの白い模様は消えます。
この撮影をした数日前には、近くの住宅庭で男性が咬まれたという記事が新聞に載っていました。
側溝だけではなく住宅庭まで入り込んでいるようです。
2006年12月、奈良県広陵町(真美が丘)の住宅前側溝グレーチング裏のセアカゴケグモ。
この画像で興味深いのは12月末で撮影したことです。
日本に住み着いたセアカゴケグモは画像に写っているように卵のうと一緒に越冬します。
また画像右に写っているのは捕獲した昆虫(おそらくコオロギ)で、餌として越冬用保存しているのかもしれません。
この時期は非常に動きが遅く、殺虫剤をかけてもほとんど動きがありませんでした。
また、このセアカゴケグモは大型で白い模様がありません。
2007年12月、奈良県広陵町(真美が丘)の住宅前側溝グレーチング裏のセアカゴケグモ。
一年後、上記付近で調べてみたところやはりいました。
住宅玄関前の側溝グレーチングは南北5〜6枚あり、すべて開けてみますと一番南側のグレーチングの一番南端に大型のセアカゴケグモ1匹と卵のうが数個見つかりました。 日当たりが一番良い南側にて越冬している様子でした。
やはり殺虫剤をかけても動きはほとんどありません。
2007年12月、奈良県広陵町(真美が丘)の住宅前側溝グレーチング裏の巣。
上記セアカゴケグモがいた各グレーチング裏はこのように巣でいっぱいになっていました。暖かい時期には各グレーチングにセアカゴケグモが数匹ずついたものと思われます。
巣の状態からもセアカゴケグモの生息は推測されます。
2008年8月、奈良県広陵町(真美が丘)の住宅前側溝グレーチングの大きく張った巣。
上からのぞいただけでもこのように巣が大きく張っていることがわかります。
捕食用の餌があることは珍しいことではないのですが、画像下部に黒と黄色の棒状のものがついてるのが見られます。
これはオニヤンマの腹部だと思われます。どうやって捕ったのか不思議ですね!この他にもカナブンがかかっていました。
2006年7月、大阪府堺市のバス停横の壁にある排水口内から見えたセアカゴケグモの卵のう。
日当たりの良い排水口の中にも営巣します。セアカゴケグモ自身は排水口の奥の方へと逃げてしまったため撮影はできませんでした。
この卵のう一つからおよそ100〜400匹ほどの子グモが生まれます。卵のうは殺虫剤に強く、焼却またはつぶしたほうが良さそうです。
なお、バス停にあったベンチ裏にはセアカゴケグモ成虫がいましたので、注意しなければいけませんね。
セアカゴケグモの防除方法
生息しそうな場所に普段から注意し、巣を張らないようにこまめに清掃をしましょう。
清掃や花壇の手入れなど、屋外で作業するときは軍手などを必ず着用しましょう。
セアカゴケグモを発見したら最寄の保健所へ届けましょう。
自分でセアカゴケグモを駆除する場合は、ピレスロイド系殺虫剤を噴霧すれば駆除することができます。
なお、セアカゴケグモは生きたまま意図的に他の地域へ移動することは法律上禁止されています。